武者返し

天下一流と名を馳せた熊本城の石垣は「清正流

石組」と呼ばれ、独特の弧を描く扇の勾配。
                                  
加藤清正が近江国から率いてきた石工集団「穴
のう
太衆」が持つ特殊技術を駆使して造られたといわ

れ、下は30度ほどゆるやかながら、上に向かう
                てんば
に従って角度を高め、天端では75度の絶壁に。

穴太衆の後藤家伝来「石垣秘伝の書」には、高

さ十間から二十五間までの石垣の高さごとに反

りの角度を数種類に分けていたことがわかりま

す。