(有)バイオ化研
バイオ化研ロゴ

B 高知大学浄化実験

〜 微生物による汚濁養殖漁場浄化の試み 〜

・『バイオコロニー』撒布による底質改善試験報告書
                    (高知大学農学博士 西島 敏隆教授)

 本浄化剤菌を養殖漁場の浄化に使用し、海水中における増殖特性及び蛋白質、炭水化物の分解能を評価した。
  培養試験の結果によると、本浄化剤細菌は低水温の5℃では増殖速度が極端に低下するが、増殖は15℃〜37℃で良好であり、37℃で最も増殖速度が大きい事が分かった。

○ 浄化剤細菌の増殖特性と有機物分解活性

 底質改良剤『バイオコロニー』を養殖漁場の浄化剤として使用し、本浄化剤細菌が海水汚泥における自浄作用を亢進する事が可能かどうかを評価するために、浄化剤細菌と養殖漁場(高知県浦の内湾)の底泥細菌の蛋白質分解活性(ロイシンアミノペプチダ−ゼ活性)デンプン型炭水化物(α−グルコシダ−ゼ活性)並びにセルロ−ス型炭水化物活性(β−グルコシダ−ゼ活性)を比較した。

 その結果、蛋白質分解最大速度は培養温度に強く依存し、25℃における単位湿泥あたりの分解速度は7℃のそれに比べて浄化剤細菌では約5倍大きかった。
 また、同一湿度において単位湿泥あたりの蛋白質分解速度を比較すると、25℃で1.4倍、5℃では5.2倍程度浄化剤細菌の活性が底泥細菌のそれを上回った。
 B subtilis は特にロイシンアミノペプチダ−ゼ活性で表される蛋白質分解活性が高く、広い温度範囲で養殖漁場底泥が持つ蛋白質分解活生により明らかに高い。
 養殖漁場において残餌として負荷される汚濁物質には蛋白質を多量に含むことから、本浄化剤を底泥に移植すれば低水温期から高水温期の周年にわたって、自浄作用を高めることが可能と思われる。

 以上のように、B subtilis を主剤とする浄化剤は、特に蛋白質分解能に優れその活性は漁場の底泥細菌群に比べてかなり高く、本浄化剤を底泥に撒布する事によって底質改善が可能であると考えられる。
 また、B subtilis を添加した養殖餌料の給餌は飼育魚の成長を促進させ養殖による自家汚染物質として水中に負荷される残餌及び糞の分解促進にも効果が認められた。


(【『底質改良剤<バイオコロニー> 微生物による養殖漁場浄化の試み】より掲載)

← back / next →