養殖漁場海底浄化事業

宇和島漁業協同組合
〒798-0067 愛媛県宇和島市桝形町2丁目6番11号
宇和島漁協の漁場は宇和海の湾奥にあり漁場の拡張などで、潮流の流れも悪くなり漁場の酷使から漁場悪化が進行していました。
又、赤潮が度々発生するようになって魚類に大きな被害をもたらすようになり漁協が主体となり漁場改善事業に取り組まれました。

 

 

 

 


真珠養殖漁場改善事業
宇和島漁業協同組合は真珠養殖部会が中心となり漁場改善事業に取り組み海底のヘドロ浄化事業に取り組まれました。蕨湾73,000㎡に『バイオコロニ-』730袋を散布しました。

蕨湾真珠養殖場『バイオコロニ-』撒布風景 南海テレビ放映

 

魚類養殖場改善事業
『バイオコロニ-』撒布前の海底はヘドロが2mほど堆積し、海水が濁って
海底では魚の餌が海底に落ちて腐敗していた。下写真左

『バイオコロニ-』を撒布しただけでヘドロが分解除去され、溶存酸素が増え海水も
澄んでいました。魚病の発生する養殖場や赤潮の発生する漁場に『バイオコロニ-』
を撒布すれば海底が改善され、赤潮の発生が無くなります。又、魚類の病気が減少し、
歩留まりがアップします。

 

■養殖漁場の浄化で歩留まり95%を維持

月刊養殖の記者が養殖業者に直撃インタビュ-養殖場に浄化剤を散布するだけでブリの歩留まりが、モジャコからの生存率95%程度を維持できている。

予想以上に汚れた海底に底質改良剤散布を決意
底質改善は、協議会に所属する養殖業者が「自分たちの漁場は自分たちで守っていく」という意義の下、協議会が自主的に取り組んいる活動だ。
予想以上に汚染が進んだ生け簀下の海底の環境を回復するために始められた。
海底の汚染状況を知ったのは、生け簀を係留する綱が切れ、潜水士に修理を依頼した時だった。
修理のために生け簀下に潜った潜水士が見たのは、汚いヘドロが溜まった海底であった。
「海底はとても魚が住めるような状態ではなかった」という潜水士の言葉に養殖業者は強い衝撃を受けた。
漁場環境の悪化が進行する前に手を打たなければならない。
そうした思いから協議会は平成7年10月に最初の底質改良剤の散布を実施した。
平成9年は散布を行わなかったが、それ以外の年は底質改良剤の散布を続けている。
平成8年からは村役場と米水津村漁協が協力するようになった。 
底質改良剤としては『バイオコロニ-』 有限会社バイオ化研社製を使用している。
『バイオコロニ-』は、汚泥を分解することを目的とした生菌剤。
通性嫌気性の細菌で最適温度18℃~40℃、最適PH6,0~8,4特性がある。
使用の際は、メーカが指定する量を各業者が生け簀の規模に応じ、生け簀周辺に直接散布している。

 

底質改良剤散布の結果魚病が減少し業者も納得
協議会では、改良剤の散布による影響を調べるために海底の様子をビデオに録画している。
海底の水質、底質、生息する生物の様子を記録し、状況の変化を把握するために使用しているそうだ。
このビデオから、海底の状態を見た。まず、改良剤散布後2週間経過した海底を撮影したビデオから、画面に映し出されるのはヘドロに覆われた海底。
泥を手に持つと粘った感触をしており、底質中に手などを差し込もうものなら埋没してしまう。
又、水質の汚れで遠くまで見渡すことが出来ない。
続いて、改良剤を散布してから3ケ月後の先ほどと同じ地点を撮影したビデオを見てみる、するとどうだろう。
観察地点を示す看板の下のヘドロは減少し、埋もれていた貝殻が見えるようになっている。
手に持つとぱらぱらとほぐれる。ビデオを見る限り、海底の様子は
変わっていた。生息する生物にも影響がでており、3ケ月後のビデオには真鯛(天然魚)
が遊泳する姿が映し出されていた。
改良剤散布の手応えは、養殖業者も肌で感じている。「最近ブリの歩留まりが良く、モジ
ャコからの生存率が95%程度を維持できている。
「真鯛養殖で白点病が大発生し悩んでいたが、最近被害が少なくなり、薬を使う機会が
減った。」など、飼育環境が改善されたという意見が多い。

2019年05月04日