Q17.厳しくなった水質環境基準値について

硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、新たにアンモニア性窒素を追加した。
 
有害3物質排水規制へ(環境省が基準設定)
 
環境庁の中央環境審議会水質部会の専門委員会は体に有害な硝酸、亜硝酸性窒素、フッ素、ホウ素の三物質の排水基準を定めた。
1999年2月に河川や海、地下水などに設定する水質環境基準の健康項目に追加したことを受け、基準値を検討していた。
排水時の基準は、硝酸・亜硝酸性窒素に新たにアンモニア性窒素も含めた合計が水質基準の10倍となる1リットル当たり100㎎以下。
河川と湖沼のフッ素、ホウソ素も同基準の10倍、(1リットル当たりフッ素陵が8mmg以下、ホウ素が10mmg以下)としたが、海にはもともと含まれていることからフッ素が15mm以下、ホウ素が250mm以下とした。
排水規制の対象になるのは硝酸、亜硝酸性窒素の場合は鉄鋼業や顔料を製造する工場のほか下水道終末処理場、畜産事業場など。

 

熊本県は悪臭公害も厳しく規制
平成20年1月8日 熊本日々新聞掲載

 

<水質基準用語>

BOD 生物化学的酸素要求量と訳され、好気性微生物が水中で有機物質中の炭素分を酸化・分解し次に窒素分を酸化しますが、その時に消費する溶存酸素量と定義されています。(酸化:水中の酸素を利用して二酸化炭素や水を生成すること)

COD 科学的酸素要求量と訳され、酸化剤で水中の還元性物質を酸化・分解する時に必要な酸化剤の量を酸素量に換算して表したものです。主に工場廃水や湖沼、海域の水質判定に使われます。(酸化剤:剤のもっている酸素で有機物を強力に酸化させる物質)(ppmとは1㍑の水に何mgの有機性汚濁物質が含まれているかで、例えば3ppmとは3mg/㍑を表示した単位数値です。)

ph(水素イオン濃度) 生息PH範囲5~9 好適PHは6.7~8.6  PH3以下は強酸性 PH11以上は強アルカリ性になります。

SS(浮遊物質量) 水中の汚濁物質で1μmより大で2mmより小のもの。エラ詰りや、捕食活動に影響し、沈積してヘドロになり、次第に腐ってBOD値やCOD値を高めます。

DO(溶存酸素量) 水中に溶け込んでいる酸素量(mg/㍑)で2~3(mg/㍑)以下の水中では生息できません。

N(窒素)P(リン) 栄養の元素で、水中の藻類やプランクトン等の生育を盛んにし、増殖させます。様々な原因で窒素、リンが大量に流出することを、富栄養化現象といい、これにより藻類やプランクトン等が大量に異常繁殖すると、酸素の消費量が増え、水中の酸素が欠乏状態になるので、他の魚介類が死滅してしまいます。異常増殖が起こり、生態系の崩れてしまった海や湖の様子を、赤潮や苦潮と呼びます。

ノルマルヘキサン抽出物質 油脂分は鉱油類と動植物油類がありますが、どちらも有機性汚濁物です。水面に油膜を張ったり、水底に油膜をつくると酸素の溶解を阻害したり、光線の透過を妨害し、水中の 生物を痛め、自浄作用の促進を妨げることになります。

大腸菌群数 大腸菌とこれによく似た性質を持つ細菌を大腸菌群と総称し、尿中には1ml当り100万個以上大腸菌が含まれていますが、水質汚濁防止法では放流水1ml当りの大腸菌群数は3000個以下と定められています。

2019年05月03日